新近江名所圖会 第112回 双子の前方後円墳-南笠古墳群-

草津市南笠町
南笠古墳群遠景

南笠古墳群遠景

 前方後円墳といって最初にイメージされるのは、大阪府堺市にある大仙古墳-通称仁徳天皇陵でしょうか。大仙古墳は長さが482mある日本で最も大きな古墳です。前方後円形は上空からみると鍵穴の形をしています。誰もが一度は教科書で写真を見たことがあるのではないでしょうか。
 今回紹介するのは、身近で見ることができ、さらに墳丘(盛土)に登ることができる前方後円墳です。それは草津市南笠町にある南笠古墳群です。南笠古墳群は現在草津市域で唯一の前方後円墳2基と円墳1基が残っています。しかし、江戸時代に記された『栗太志』には22基の古墳があったと記されていることから、後世の開発によりその大半が削られてなくなってしまったと考えられます。その証拠に、平成13年から農地の区画整理にともなって実施された草津市教育委員会による発掘調査では、墳丘が削平されたものの周溝(盛土の周りの溝)だけが地面の下に残っている古墳が8基みつかっています。このように、現在では見ることのできない古墳が、まだまだ地面の下で眠っていると思われます。

おすすめポイント

1号墳(奥)・2号墳(手前)

1号墳(奥)・2号墳(手前)

 おすすめポイントは、やはり地面の下の目に見えない古墳よりも実際に見ることができる古墳でしょう。1号墳と2号墳は田んぼの中にこんもりと林があるので遠目からもわかります。ともに前方後円墳で、1号墳は全長27.5m、2号墳は全長30mと非常にコンパクトです。2号墳の後円部頂にはお稲荷さんが祀ってあり、道路からすぐに墳丘に登ることができます。1号墳は2号墳の北西側に並んでいて、田んぼの畦道から墳丘に登ることができます。大きさでいったら大仙古墳の16分の1と非常に小さいですが、前方後円形-鍵穴形をちゃんとしています。この双子の前方後円墳、ぜひ、訪れて墳丘に登って形を確認してみてください。
 1号墳・2号墳の南西側の田んぼの中には、3号墳が残っています。発掘調査の結果から円墳であることがわかっていますが、現状では小さな土盛りが確認できるだけです。
 これらの古墳は今から約1500年前に造られたものであることが、調査で見つかった遺物からわかっています。

3号墳

3号墳

周辺のおすすめ情報

 南笠古墳群は、JR琵琶湖線と近江大橋取り付け道路(県道大津草津線)の間の田んぼの中にあります。そこからはすこし離れていますが、草津駅方面に行けば第32回で紹介した草津宿本陣があります。反対の琵琶湖方面に行くと第43回で紹介した歌川広重の浮世絵にも登場する矢橋の帰帆・矢橋道があります。古墳散策のついでに中世から近世の街道めぐりもしてはいかがでしょうか。

アクセス

【公共交通機関】JR琵琶湖線南草津駅からまめバス南笠笠山医大線「治田神社」下車徒歩5分
【自家用車】県道大津草津線(近江大橋取り付け道路)新浜町交差点から草津方面最初の信号を右折


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(堀真人)

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