新近江名所圖会 第39回 江戸の旅人気分を満喫する-石部宿場の里-

湖南市雨山
再現された町屋 (商家・旅籠)

再現された町屋 (商家・旅籠)

 江戸時代には、現在のJR草津線石部駅の北側に延びる旧東海道沿いに、石部宿が置かれていました。石部宿は東海道五十三次の51番目の宿場で、京都を早朝に出発した旅人が草津宿を通過して最初に泊まる宿場としてたいへん賑わっていたそうです。
 幕末頃(1843年頃)には、本陣2軒(本陣:参勤交代の大名などが、宿泊や休憩をとった施設)・旅館32軒を含む458軒が街道の両脇1.6kmにわたって建ち並んでいたと伝えられています。
 街道からやや離れた雨山文化公園内にある、石部宿場の里では、当時の生活様式を後世に伝えるために、現存家屋をモデルとして、農家・商家・旅籠・茶店などが実物大で再現されています。それぞれの建物の中には、江戸時代の民俗資料(生活用品)が展示されています。どの建物の内部にも解りやすい説明板やクイズなどが設置されているため、長時間楽しめます。

おすすめPoint

再現された茶店

再現された茶店

 「おちゃば」の暖簾が掛けられた茶店は、盛り場や観光地などに見られる、「腰掛茶屋」です。屋根は、軒先の部分以外は萱葺きの、素朴なつくりです。店の内部には、仕切りがあり、小さな調理場が設けられています。軒に置いてある床几は、座ることができるため、実際に当時の旅人の気分を味わうことができます。
 当時の茶店は、茶の他に団子、餅などのすぐに食べられる簡単なものしか出さず、人通りがある、昼間のみの営業だったようです。
 石部宿の名物のひとつに、「豆腐田楽」(とうふでんがく)があります。硬めの豆腐を串に刺し、火鉢で炙り、ある程度水分がなくなると、味噌をつけて旅人に出したそうです。豆腐は栄養価が高く、消化が早く、旅人 にとっては、なくてはらない食糧であったそうです。

周辺のおすすめ情報

東海道歴史民俗資料館

東海道歴史民俗資料館

 宿場の里をさらに進むと、東海道歴史民俗資料館が見えてきます。この建物は、慶安3年(1650)に建てられた、小島本陣の外観を模した、平屋建てです。小島本陣は、膳所藩主本多俊次に仕えた小島金左衛門が、藩主より本陣職を拝命され、建物は間口21.5間・畳部屋数26室を数える、大規模な本陣でした。
 館内には、小島本陣の20分の1サイズの模型が展示されています。この模型は、小島本陣が現存していないため、移築先まで出向き、表門や脇門・欄間にいたるまで調査研究され、再元されたそうで、見ごたえがあります。
 そのほかに、二万石程度の大名が使用した網代駕籠や、小島本陣に残されていた関札や宿帳、道中合羽や水筒などの旅で使用された諸道具が展示され、当時の石部宿の賑わいを偲ぶことができます。

アクセス

【公共交通機関】JR草津線線石部駅下車徒歩30分
【自家用車】名神高速道路栗東ICから車で20分
※利用情報(東海道歴史民俗資料館と共通)
◎休館日-月曜、祝日日の翌日(土曜日・日曜日は除く)、12月28日~翌年1月4日
◎開園時間-9:00~16:30
◎入場料-大人320円(260円) 児童生徒160円(110円) ( )内は団体料金(20名以上)
◎駐車場-30台(その他、雨山文化公園駐車場に約300台駐車可)
◎問い合わせ先-?0748-77-5400(公園管理事務所)
※施設は、雨山文化運動公園内にあります


より大きな地図で 新近江名所図絵 第1回~第50回 を表示

(田中 咲子)

カテゴリー: 新近江名所図会   タグ:   この投稿のパーマリンク

コメントは受け付けていません。