新近江名所図会
新近江名所圖會 第432回 安土城に行くならその前に・・信長・戦国の学び舎/滋賀県立安土城考古博物館
今回ご案内するのは、滋賀県立安土城考古博物館です。老若男女に人気の安土城ですが、せっかく来られるならば、ぜひ当館にもお運びいただき、楽しみを深めていただきたい!そんな思いから、ご紹介いたします。
滋賀県立安土城考古博物館は、1992年に開館しました。2025年3月にリニューアルされ、シアターや展示を通して「安土・信長・戦国」の歴史とその秘密を解き明かしていく館へと進化しました。今回は、3つの見どころを中心にご紹介します(詳しいご案内は博物館公式ホームページの「常設展示のご案内」ほかをぜひご覧ください)。
【見どころ1】
1つめの見どころは、常設のシアターです。このシアターは信長の目指す国づくりや築城の目的を、信長が宣教師ヴァリニャーノに語る形式で進行するものです。最新の調査成果に基づくCG映像をお楽しみいただけます(【予告動画】はコチラ)。NHK大河ドラマで有名な三浦正幸先生(広島大学名誉教授)や、中村泰朗先生が監修され、カンヌ国際映画祭にも出展されている平林勇監督をはじめとするスタッフが映像を制作しました。
シアター入口とそこに映し出されるサイネージ(写真1)は、来館者さんにも人気の「映え」スポットの1つ。上映時間が迫ると消えますので、タイミングを逃さずお撮りください。

安土城をイメージして設計された八角形の巨大な上映室の周りには、絵巻風の壁面展示があります。また、近江や安土周辺の地形模型にさまざまな映像をマッピングしながら信長たちの動向を解説してくれるコーナーが設けられています(写真2)。

シアターとあわせて見学することで、「安土・信長・戦国の歴史とその秘密」を深掘りしていけること間違いなし!
【見どころ2】
2つめの見どころは、第2常設展示室です。ここには安土城全体の模型(写真3)、来館者の隙を狙ってくる城兵(写真4)、安土城の先進性を象徴する石垣の模型(写真5)、信長軍の強さとその戦略性を物語る槍の実物大模型(写真6)、信長の肖像と花押・印章(写真7)などが展示されています。




展示と解説をとおして、その後に続く諸城のモデルとなったその安土城の姿や、天下を治めるために用意されていった信長の戦略に関する知識をお深めください。
【見どころ3】
3つめの見どころは、建物そのもの、そして周辺の美観です。ご存じのとおり、先進性に富んでいた信長は、西洋文化に強い関心を寄せていました。そんな信長にちなんで、当館は中世ヨーロッパの修道院をモデルにデザインされています。望楼を下から見上げたカット(写真8)や回廊の眺め(写真9)、そして周辺の木々を映し込んだ建物遠景などは特におススメです(写真10)。



また敷地内にある旧安土巡査駐在所は、明治の早い時期の建物(写真11)。地元の大工さんが、日本伝統の工法をベースにしつつ、洋風建築のデザインや技法を巧みに組み合わせた逸品です。いずれも画格や季節、時間帯によって、さまざまな「映え」ぶりを魅せてくれるはずですので、ぜひ写真撮影もお楽しみください。

書き忘れておりましたが、館内にはこんな可愛いマスコットも(写真12・13)。この子たちも、ぜひよろしくお願いいたします。


【より深めたい方へのおススメポイント】
より深めたい方へオススメするのは、ミュージアム・ショップとオンライン・ショップです。ミュージアム・ショップでは、可愛い・楽しいグッズのほか、その後に続く諸城の起点にもなった安土城のヒミツや、天下統のために信長が用意した戦略に関する数々の展示図録などがズラリ(写真14)。過去の展示図録(写真15)も含めて取りそろえることで、あなたの貪欲な知識欲を満たしてくれるはずです。


遠方の方、買い漏らしておられる方には、公式オンライン・ショップ『近江文化財本舗』がおススメです(写真16)。ワン・クリックで皆様の本棚にお届けいたします。

なお、今回ご紹介した博物館リニューアルの内容につきましては、コチラの〈パンフレット〉でもご紹介しています。こちらもぜひお楽しみください。
【近くにあるおすすめのスポット】
一番のおススメスポットは、何はともあれ、徒歩で15分の距離にある特別史跡安土城跡です。その後の諸城のモデルとなった天下の名城。せっかく来られるなら、現地の体感と当館での知識にインプットをセットにされることを強くおススメします。
また、せっかくならば、ぜひ「近江牛」もご賞味ください!安土・近江八幡界隈には、毛利志満さん、寛閑観さん、ティファニーさん、まるたけ近江西川さん、池もとさんはじめ、名店がたくさん揃っています。
【アクセス】
●電車でお越しの方
JR琵琶湖線「安土駅」より徒歩25分。レンタサイクル10分。タクシー6分。
●お車でお越しの方
名神高速道路 竜王I.Cから30分、八日市I.Cから30分。
国道8号線西生来交差点を経由して加賀団地交差点を右折。
普通車70台、大型車13台 駐車可能(無料)
(企画整理課 瀬口眞司)