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新近江名所図会

新近江名所圖会 第296回 夏休みの自由研究は〔古代の港と神社〕でGO! 近江八幡市 滋賀県立安土城考古博物館

近江八幡市
安土城考古博物館
安土城考古博物館

今回ご紹介するのは、安土城考古博物館で2019年の夏休みに開催される企画展示です。この企画展示でスポットを当てるのは、琵琶湖の水運、そしてそれにまつわる港、神社と祭祀です。この夏休み、少し専門的な自由研究をしたい歴史好きの小学生の皆さん、そしてその保護者の皆さん!琵琶湖が果たしてきた歴史的役割を調べに当博物館へぜひお運びください!

この安土城考古博物館の最寄り駅はJR琵琶湖線安土駅です。歩いて30分ぐらいかかりますから、駅前のレンタサイクル等を利用されるのがいいでしょう。車で行かれるのも、もちろんオススメ。広い駐車場が皆様をお待ちしております。

企画展のタイトルは「塩津港遺跡発掘調査成果展―古代の神社と祭祀を中心に―」。展示のベースになるのは、琵琶湖の北端にある塩津港(しおつこう)遺跡の調査成果です。

レトロ・レトロ展チラシ
レトロ・レトロ展チラシ

この塩津の地、いまは奥琵琶湖の静かな田園地帯ですが、平安時代においては琵琶湖の水運の要となる大きな港が置かれていました。当時の都は平安京。その巨大な消費地を支えるためには、豊かな日本海側の各地からたくさんの生産物を運ぶ必要がありました。そこで活躍したのが琵琶湖の水上交通です。トラックも貨物列車もない時代、多くの物資が塩津の港で船に積まれ、琵琶湖を駆けて都へ運び込まれていたのです。

平成18年度~30年度にかけて発掘調査をしたところ、港や、それと深いかかわりを持つ神社の跡などが見つかっています。また、おびただしい量の遺物などにより、当時の賑わいが鮮やかに蘇ってきました。

中でも注目されるのは「起請文木札(きしょうもんきふだ)」と呼ばれているものです。現代社会では仕事を請け負うときに契約書をとりかわしますが、当時は神さまに誓いを立て、仕事上の約束事を守る形がありました。その時につかうものが起請文。塩津港遺跡では、当時の水運業者がたくさんの神々に誓いを立てて約束した起請文の木札が発掘されました。

古代の火起こしの道具(復元品)
古代の火起こしの道具(復元品)

現在の私たちの暮らしの原形ではあるけれど、ちょっぴり違うところもある当時の人々の世界観・考え方を覗かせてくれる面白い資料です。ぜひご覧ください。開催期間そのほかの詳細はコチラのとおりです。http://azuchi-museum.or.jp/special-kikaku/8635.html

滋賀県立安土城考古博物館
第60回企画展「塩津港遺跡発掘調査成果展―古代の神社と祭祀を中心に―」
2019年7月20日(土)~9月16日(月・祝)
《会場》
企画展示室
《入館料》
大人500(400)円、高大生300(240)円、
小中生、県内高齢者、障害のある方は無料
※( )内は20名以上の団体料金です。

周辺のおすすめ情報
少し離れていますが、大津市瀬田にあります〔滋賀県埋蔵文化財センター〕では、関連展示として〔レトロ・レトロの展覧会2019 夏の特別陳列 京と海を結ぶ近江の港と船〕を開催します。こちらは特に船と港にスポットを当てた展示になっています。併せて是非ご覧ください。土日は古代の火起こし体験もできます。
期 間 2019年7月19日(金)~9月1日(日)9:00~17:00(期間中全日開館)
入館料 無料
問合先 当協会 077-548-9780

アクセス
安土城考古博物館へのアクセスはコチラをご覧ください。

アクセスマップ


滋賀県埋蔵文化財センターのアクセスはコチラをご覧ください。
https://www.shiga-bunkazai.jp/shigabun-shinbun/%e5%88%a9%e7%94%a8%e6%a1%88%e5%86%85/

                                 (瀬口眞司)

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