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調査員のおすすめの逸品№393 スタンドポール

 発掘調査報告書やパンフレット等で、調査区全体を上から撮った写真を見たことはあるでしょうか。

 発掘調査では、どんな遺構が見つかったのか、図面や文章で記録を残していきます。写真もまた、その文章・図面と同様にとても大切な記録となります。撮影ではいわば目線の高さも大事になります。遺構の位置関係や規模感を分かりやすく示すためには、目の高さで撮ったものだけでなく、より高い位置から俯瞰したカットも必要になります。このような高い位置からの撮影では、どのような手段が用いられているのでしょうか。今回は、その方法について紹介していきます。

 その方法の1つは、ローリングタワー(櫓)を建てて、その上から撮影する方法です。この方法は、つい最近まで当協会でも使われていました。しかし、ローリングタワーによる撮影には以下のような難点があります。①設置そのものに時間と人手がかかること、②撮影位置の調整が難しいこと、③撮影に広い場所を要すること、④調査区によっては撮影のできないアングルがあることなどです。こうした難点もあって、当協会では現在ローリングタワーをほとんど使わないようになりました。

 また、当協会では最近使用していませんが、高所作業車を使うケースもあります。高所作業車は、ローリングタワーでは届かない、かなり高い位置からの撮影が可能というメリットがあります。反面、大きな車を乗り入れることになるため、ローリングタワー以上に使用できるケースが限られます。高所作業車での撮影が難しい場所としては、①車が入らないような狭いところ、②住宅街付近など交通の妨げになる箇所、③農地などの地面が柔らかいところ、などが挙げられます。またローリングタワーと違って、現場に常駐させておけるものではないため、スケジュールの融通が効かないという難点もあります。

 以上のようなローリングタワーや高所作業車の変わりに、現在、当協会ではスタンドポールを使用しています(写真)。このスタンドポールは、「高所からの撮影」と「利便性」を両立させてくれました。スタンドポールでの撮影では、その先端にカメラをつけ、本体を伸ばすことで上からのカットを撮影しています。ローリングタワーや高所作業車に比べ、設置にかかる時間や人員がかなり少なく済む(高さにもよるが最少1人での撮影が可能)ため、急な撮影への対応も楽になりました。また、今までローリングタワー・高所作業車では撮りにくかった場所での撮影もしやすくなりました。

写真 スタンドポールでの撮影状況

 しかしスタンドポールにも、ローリングタワーや高所作業車にはなかった難点があります。①自身の手ではなくスマホでシャッターを切るため、高さのせいで撮影中にスマホとカメラの接続がキレてセッティングがやり直しになるケースもあること、②風の影響を受けやすく、写真が傾いたりカメラが危険に晒されたりする場合があること、などです。

 ちなみに最近は、真上やより高い位置からドローンを使って撮影することも増えました。発掘調査の写真を見ながら、その写真がどのように撮られたのか、思いを馳せてみるのも楽しいですよ。

(調査課 森田真由香)   森田真由香の活動は【コチラ】

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