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新近江名所図会

新近江名所圖会 第53回 秀次の夢の跡-八幡山城跡-

近江八幡市
近江八幡市宮内町
八幡山ロープウエー (現在は、浅井三姉妹のキャラクターが描かれています。)
八幡山ロープウエー (現在は、浅井三姉妹のキャラクターが描かれています。)

八幡山城跡は、豊臣秀吉の甥の豊臣秀次によって、天正13年(1585)年に、八幡山(鶴翼山:かくよくざん)に築かれたお城です。山上には本丸を中心としたお城が築かれ、南側の山麓には秀次の居館が建てられていました。また、城の内堀として、琵琶湖と城下町を結ぶ運河の役目を担っていた「八幡堀(はちまんぼり)」も開削されました。
信長亡き後、天下統一に乗り出した秀吉は、近江八幡の地が戦略的に重要なことを意識していたため、重臣たちを補佐役に付け、築城を急いだとされています。
今回は、ロープウエーで気軽に見学できる、山上に築かれたお城の部分を紹介します。
山麓でロープウエーに乗り「八幡山頂駅」で降りると、案内版に従って「出丸跡」・「西の丸跡」・「北の丸跡」・「本丸跡」を巡ることができます。本丸跡には、謀反の汚名を着せられ、短い生涯(享年28歳)を終えた秀次の菩提を弔うために、生母(日秀尼・秀吉の姉)が京都に建立した「村雲御所 瑞龍寺門跡」(むらくもごしょ ずいりゅうじもんぜき)が移築されています。
また、順路の最終地点にある、二の丸跡には展望館があり、城の南側の平野部に広がる、碁盤目状に区割りされた旧城下町を一望できます。

おすすめPoint

現在も残る石垣 (本丸北側)
現在も残る石垣 (本丸北側)

石垣に使用した石材は、安土城で使用された石材や、東海道(中山道)に面する武佐(むさ:近江八幡市)の長光寺山や馬渕(まぶち:近江八幡市)の岩倉山などから切り出されたものと伝えられています。

周辺のおすすめ情報

八幡堀
八幡堀

八幡堀は外敵の侵入から城を守るためというよりも、物資を輸送するための運河として役割が大きかったようで、琵琶湖とつながっていました。八幡山城の廃城後も、昭和初期まで地域の流通路として利用されていました。
現在は、「かわらミュージアム」横の乗船場からエンジン船に乗って、八幡堀を散策することができます。この風景は時代劇などでよく使われています。かつて商家であったと思われる家々や、白壁の蔵が並ぶ様子は、どこを切りとっても、絵になる風景です。

アクセス

【公共交通機関】JR琵琶湖線近江八幡駅下車、近江鉄道バス「大杉町」下車徒歩5分
八幡山頂駅下車すぐ
【自家用車】名神高速道路八日市ICまたは竜王ICから15分、駐車場あり

【八幡山ロープウェー】
・営業時間:午前9時~午後5時(年中無休)
・運行時間:毎時15分間隔で発車。(登り午後4時30分最終)
(山麓から山頂までは、約4分。)
・料金:おとな800円(往復)
こども(6歳以上12歳未満)400円(往復)
・電話:0748-32-0303
【八幡堀めぐり】
・営業時間:午前10時~午後4時(冬は午後3時まで)
(12月から2月までは、完全予約制。前日までに要予約)
(所要時間は、30分程度)
・料金:おとな800円(往復)
こども(6歳以上12歳未満)400円(往復)
・電話:0748-33-5020


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(田中 咲子)

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