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オススメの逸品

調査員のおすすめの逸品 No.25 今年度もよろしくお願いいたします-番外編-

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昨年度から新たにはじめましたHP限定企画『調査員のおすすめの逸品』も、一年間、24回分を連載することができました。取り上げた『逸品』の数々は、芸歴?○○年の我が社が誇る発掘調査員の思い入れの品々ばかりです(笑)。私たちは、遺跡の発掘調査から整理調査、報告書の刊行、そしてその成果を国民・県民の皆様に還元するというサイクルで仕事をおこなっています。
その中で、「これは!」という出土した遺物や、他の用途で使用するものを、現地調査や整理調査で「これは使えるかも!」と担当者の創意工夫からオリジナルな使い方をする品を紹介しています。
発掘調査といえば、刷毛や竹串を使ってコチョコチョとした細かい仕事をイメージする人が多いと思います。でも、実際、現地での調査には、最も大きな道具パワーシャベルからスコップ、移植ゴテ「お玉」、箕、刷毛、竹串に至るまで様々な道具を使います。整理調査でも遺物の洗浄に使うボンドバケ(普通はボンドをのばすのに使う、大きな歯ブラシのような道具)や、遺物の注記作業に使う墨汁や面相筆、遺物を図化するときには、紹介させていただいた「竹マーコ」・「針マーコ」「三角スケール」などなど、「そんなものを使うの?」という声が聞こえてきそうな品が沢山あります。ぜひ、発掘調査で出土した「逸品」だけではなく、発掘現場、整理作業を垣間見ることができる優れた道具の数々にご注目ください。

送っていただいた三角スケール(左) 通常の副尺(右)
送っていただいた三角スケール(左) 通常の副尺(右)

今回は番外編として、第5回に取り上げました「三角スケールの副尺」に寄せられた反響を紹介したいと思います。
「三角スケールの副尺」も通常は建築・設計関係の方が使うものを、埋蔵文化財仕様ともいうべき変わった使い方をしていることを紹介したところ、大津市にある三角スケールを作っておられる江州計器工業株式会社の岸様からお手紙を頂戴しました。ポケット用の10cm三角スケールをオフ仕様(=0cmからスタートするタイプのことをこのように呼称することをはじめて知りました)に加工した現物を届けてくださいました。
製造している人がHPをみていただいていたことや、わざわざ試作品をお送りして頂いた驚きは大変大きなものでした。早速使わせて頂きました。恐縮なのですが、両端を切ったためにスケール値が分からなくなってしまった点(おそらく既製品を改良されたためだと思いますが)を改良すれば満点の「逸品」です。素晴らしい!! また、「TONKUN」さんからはオリジナルの三角スケールに関して助言をいただきました。本当にありがとうございました。
今年度も(昨年度のものも含めて)ご意見、ご感想をたくさんお寄せくださいますようよろしくお願いいたします。また、私たちも皆さんのご期待に添えるような内容を提供していきたいと考えております。今年度もよろしくお願いいたします。(堀真人)

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