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新近江名所図会

新近江名所圖会 第38回 境目の城-佐和山城

彦根市
彦根市佐和山
佐和山城の碑
佐和山城の碑

石田三成の城として有名な佐和山城跡は、中山道鳥居本宿と旧松原内湖に挟まれた小高い山に位置しています。
佐和山は犬上郡と坂田郡の境目に位置し、中山道が東麓を通り、北側に朝妻、西側に松原の港と、陸上・湖上交通の要衝として重要な場所でした。
佐和山に初めて城が築かれたのは鎌倉時代と伝えられ、その後、六角氏と京極氏、六角氏と浅井氏、織田氏と浅井氏の勢力争いの境目の城として幾度となく争奪戦が繰り広げられました。そのため、この城を任されたのはそれぞれの勢力の重臣ばかりで、浅井長政の時代には磯野員昌、織田信長の時代には丹羽長秀、豊臣秀吉の時代には石田三成、関ヶ原合戦後には徳川家康の譜代の家臣である井伊直政が城を任されました。
2009年に実施されました佐和山城大手側の調査では、土塁の内側から溝で区画された屋敷地が見つかり、桐紋をあしらった紐金具が見つかりました。また、土塁の外側の調査では、内堀の跡が見つかり、安土城に匹敵する規模の堀を備えた立派な城であったことが発掘調査からも明らかになりました。

おすすめPoint

石田三成像(佐和山龍譚寺口)
石田三成像(佐和山龍譚寺口)

佐和山城は関ヶ原の合戦ののち、彦根城の築城に伴って石垣などの城の部材は持ち出されてしまったと伝えられています。現在では往時の面影をとどめているものはほとんどありませんが、石垣の痕跡が数か所に残されているほか、ずいぶん削り取られてはいますが土塁があちらこちらに残されています。往時を偲び散策してみてはいかがでしょうか。

周辺のおすすめ情報

龍譚寺庭園
龍譚寺庭園

JR側の登り口である龍譚寺は井伊家の菩提寺で、達磨の寺として知られています。2つのお庭があり、夏場でも涼しい風が感じられます。また、建物内では佐和山城や石田三成に関する写真などが展示されています。(拝観料400円)

井伊神社のしだれ桜
井伊神社のしだれ桜

また、隣の井伊神社には第13代彦根藩主井伊直弼のお手植えと伝えられる、見事なしだれ桜があります。ぜひ桜の季節に行ってみてください。

アクセス

【公共交通機関】JR東海道本線「彦根」駅下車徒歩30分
【自家用車】名神高速道路彦根ICから約10分、駐車場は龍譚寺前にあり
※佐和山城は個人の敷地です。夜間(日没後)の立ち入りや、ゴミの放置、火気の使用などは一切なさらないようにお願いいたします。


より大きな地図で 新近江名所図絵 第1回~第50回 を表示

(伊藤愛)

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