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新近江名所図会

新近江名所圖会 第94回 修験道の聖なる山-太郎坊宮(阿賀神社)

東近江市
東近江市小脇町
太郎坊宮遠景
太郎坊宮遠景

近江鉄道太郎坊駅から北へ1kmほどいくと、標高350mの赤神山(あかがみやま)の中腹にあり、“太郎坊さん”の名で親しまれている阿賀神社があります。
この太郎坊さん、約1400年前、欽明天皇の時代、聖徳太子が箕作山に瓦屋寺を創建したときに霊験があって創建されたと伝えられています。後に伝教大師(最澄)が訪れ、社殿・社坊を献じたといわれています。そのこともあり、山岳信仰の聖地として多くの修験者が訪れていました。
そして修験者の守護神とされたのが「太郎坊の天狗」で、現在も神社の守護神とされています。勝運・厄除・開運・商売繁盛に御利益があり、天照皇大神の第一皇子神、正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊(まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)を祀っています。
ちなみに、初詣の参拝客の多さは県内で近江神宮と並んで2番目です。

本殿へ続く石段
本殿へ続く石段

おすすめPoint

山麓からまっすぐのびた約300段の石段を登っていくと、古代の山岳信仰の雰囲気を醸し出す本殿にたどり着きます。石段はなかなかの勾配で、登って行くだけでも御利益がありそうです。
そして、本殿の周りには磐座と呼ばれる巨岩が散在しており、まさに、その光景は修験道の行場にふさわしいものです。

◇夫婦岩

夫婦岩
夫婦岩

本殿前にある夫婦岩という巨岩は、神力によって左右に開いたといわれ、巨岩信仰の中心となる岩です。岩のあいだを嘘つきな人が通ると、途端に岩に挟まれてしまうといういい伝えがあります。
割れ目は人がひとり通れるくらいの幅で、中で少し通路が曲がっていることもあり反対側が見えません。そして、中に入って上を見上げると割れ目の上部に小さな空が見え、それは昔の人の信仰の対象であったことを自然に受け入れられる光景です。
また、この夫婦岩、名前の如く夫婦和合や縁結びのご利益もあるといわれています。

夫婦岩内から上を見上げる
夫婦岩内から上を見上げる

◇展望台

本殿前の展望台からは、万葉集にもうたわれた蒲生野の景色が広がり、東には鈴鹿山系、天候の良い日は青山高原が、南には甲賀・湖南地域や遥か奈良県の山並が、西には比叡山や琵琶湖等の景観が楽しめます。

周辺のおすすめ情報

眼下に広がる蒲生野
眼下に広がる蒲生野

この太郎坊宮から箕作山、小脇山までのルートは登山道として整備され、案内標識も多数あって、気軽にトレッキングを楽しむにはもってこいの場所となっています。
また、近江鉄道市辺駅のすぐ北方の船岡山には自然の巨岩に大海人皇子と額田王の歌を、「元暦校本万葉集」の原本そのままの文字を彫りこんだ石板があります。この二つの歌の話しは第69回に紹介してあるので参照ください。この万葉集の歌にあやかり船岡山のふもとには、約100種類の万葉植物を植えた万葉植物園や当時の遊猟を偲ばせる巨大な万葉レリーフなどを整備した「万葉の森船岡山」があります。ぜひ、訪れてみてはいかがでしょうか。

アクセス

【公共交通機関】JR近江八幡駅で近江鉄道に乗り換え「太郎坊前」下車、徒歩15分
【自動車】名神高速道路八日市IC下車10分、駐車場あり


より大きな地図で 新近江名所図会 第51~100回 を表示

(堀 真人)

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