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新近江名所図会

新近江名所圖会 第328回 天井川は生きている-草津市草津川跡地公園

草津市
写真1 草津川跡地公園(ai彩ひろば)
写真1 草津川跡地公園(ai彩ひろば)

草津川といえば、天井川として有名ですが、平成14年(2002年)に草津川放水路が完成し、草津市青地町より西側(琵琶湖側)の旧草津川は廃川となりました。
私は、旧草津川はほとんどが人工河川と考えており、当協会で刊行している紀要22・23・25号で自由に論考させてもらってます。
廃川となった旧草津川ですが、ここ数年でその象徴的な巨大な堤防が姿を消しつつあります。草津市さんも跡地利用に力を入れており、様々な事業を展開しています。JR琵琶湖線と国道1号と交差点のトンネル部分周辺の堤防は撤去され、湖南幹線道路と交差する県立草津高校の北側などの堤防も撤去されました。そして、かつての周辺の家の屋根より高い壁のような堤防は姿を消し、平地化しつつあります。

◆おすすめPoint
そんな旧草津川跡地ですが、草津市北山田町の旧草津川跡地は、「ai彩ひろば」として整備され、憩いの場となっています。同じように草津市大路町の旧草津川跡地にも「de愛ひろば」として、両地区ともおしゃれな店も建ち並び、かつて天井川だったとは思えない光景となり、残されています。

写真2 公園内の小さな水路
写真2 公園内の小さな水路

両地区とも様々な形で市民の交流場所として活用が図られています。
私が注目したのは「ai彩ひろば」の中にはよく見ると、「井戸水を利用しています」と書かれている浅い水路です(写真2)。この水路の中には水が湧き出ているところがあります(写真3)。私は、これは天井川の伏流水であり、廃川となっても僅かながら水脈が生きているのでは…と考えています。
在りし日の天井川がある景色はなくなっても、細々と天井川が生きているのをじっかんできる小さな発見でした。

◆周辺のおすすめ情報
旧草津川は、草津市内を山手から湖岸に向って東西に流れていたので、今も昔も主要な交通路と交差していました。
ここでは陸の主要路であった東海道との交差点、国史跡草津本陣(新近江名所圖会第32回)、湖の主要港であった矢橋港(新近江名所圖会第43回)によってみるのもよいかと思います。旧草津川跡地を東西に歩いて移動するとちょっとした運動になりますよ。

写真3 湧き出る水
写真3 湧き出る水

◆アクセス
・ai彩ひろば
【公共交通機関】JR草津駅西口より近江鉄道バス 南草津西口線、浜街道線、近江大橋線に乗車「陽の丘団地口」停留所より徒歩約10分
【自家用車】名神高速道路栗東ICから20分 駐車場有
・de愛ひろば
【公共交通機関】JR琵琶湖線草津駅下車徒歩10分
【自家用車】名神高速道路栗東ICから国道1号約15分 駐車所あり
(重田 勉)

・ai彩ひろば 滋賀県草津市北山田町3268番地1
・de愛ひろば 滋賀県草津市大路2丁目4番11号
公式HP https://www.kusatsugawaatochi-park.com/

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