新近江名所図会
新近江名所圖会 第303回 地元の歴史にふれる場所~菩提寺まちづくりセンター
私が滋賀県立安土城考古博物館で学芸員として勤務していた時、湖南市のまちづくり協議会の方々が、湖南市の竜王山古墳群出土資料の見学を希望してこられたことがありました。お話を伺ってみると、地元に新しく地域交流の場としてコミュニティセンターを建てる計画があり、そこに歴史展示室を作って地元の古墳から出土した資料を展示したい、とのことでした。
その後、2015年4月に、「まちづくり、防災、子育て支援の新しい拠点」として、「菩提寺まちづくりセンター」(写真1)が開館しました。
◆おすすめPOINT
このセンターには歴史文化資料室(写真2)が設けられており、前述の竜王山古墳群から出土した土器(写真3)が展示されています。それ以外にも、考古学関係では寺屋敷古墳群、岩瀬谷古墳群などの現地写真パネルが展示されています。
また、菩提寺まちづくりセンターの前には「梵兮葱兮(ぼんけいそうけい)の碑」が建てられています。これは、室町時代頃に戦乱と乱伐によってはげ山になってしまった菩提寺の山々を、ヒメヤシャブシの育成により緑豊かな山に再生した事蹟を称えるものです。
これらも含めて、歴史文化資料室には「菩提寺歴史散策マップ」(写真4)が展示されていて、周辺の史跡を巡るルートが一目でわかるようになっています。
【菩提寺まちづくりセンター】
開館時間:午前9時~午後10時
休館日:国民の祝日に関する法律に規定する休日,12月29日から翌年1月3日,湖南市長が必要と認めた休館日
歴史文化資料室:入場無料
◆周辺のおすすめ情報
周辺には古墳や神社、お寺などが散在しています。これらを巡るモデルルートが、歴史文化資料室に「散策マップ」として紹介されています。大体3時間くらいでひととおり回れるようなコースになっています。お天気のいい日に、のんびり歩くのがおすすめです。
◆アクセス
〒520-3248 湖南市菩提寺西四丁目2番12号
<公共交通>湖南市コミュニティバス「めぐるくん」(菩提寺線)「菩提寺駐在所」バス停下車すぐ
<自家用車>名神高速栗東湖南ICより20分
(阿刀弘史)