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あぢかまの里

新近江名所図会

新近江名所圖会 第133回 西浅井 道の駅 あぢかまの里

長浜市
(長浜市西浅井町塩津浜)
あぢかまの里
あぢかまの里

みなさんもドライブの途中でよくお世話になる道の駅。地域毎にさまざまな特色があり、立ち寄るのは楽しいものです。今回は、長浜市西浅井町塩津浜にある道の駅、「塩津海道あぢかまの里」をご紹介しましょう。ちなみに「あぢかま」とは、塩津地域を指す枕言葉で、琵琶湖の水辺で冬を越す鴨のことだそうです。

おすすめPoint

丸子船1
丸子船

なぜ、道の駅をここで紹介するのか? その答えは、道の駅の建物の背後にひっそりと建つ倉庫にあります。ここには、丸子船の実物が展示されているのです。丸子船は、江戸時代を中心に戦前まで琵琶湖の湖上運送の主役を担った、琵琶湖独特の帆走木造船(戦後はエンジン船)です。喫水が浅く、舷側にオモギという杉の丸太を半栽したものを取り付けていたり、舳先をヘイタとダテカスガイで作っていたり、独特な構造を持っています。
展示されているのは、西浅井出身の故・三上四郎氏が提供されたもので、船名は「勢湖丸」。全長17m、最大幅2.85m、積載量約13トン(米俵約220俵)で、戦前以降のスタンダードなサイズといえます。

丸子船2
丸子船

江戸時代の享保年間には、港別にみると西浅井で89艘もの丸子船を所有していました。これは当時では最多であり、この地域で丸子船がいかに活躍していたのかを物語っています。かつて湖上輸送の花形だった丸子船の終焉を見届けたうちの1艘が、役目を終えてひっそりとたたずむ。それがここ、「塩津海道あぢかまの里」なのです。

周辺のおすすめ情報

塩津港遺跡のパネル展示
塩津港遺跡のパネル展示

「塩津海道あぢかまの里」のすぐ近くには、塩津港遺跡があります。平成18年度から始まった発掘調査で、神社遺構や多数の木簡・神像などが発見されるなど、たくさんの調査成果がありました。発掘現場そのものはご覧いただけませんが、発掘成果は、「塩津海道あぢかまの里」にある「道の駅情報館」内でパネルで紹介されています。
また、「塩津海道あぢかまの里」から南西方向へ車で15分ほど行くと「北淡海・丸子船の館」があります。こちらにも丸子船の実物が展示されていますが、さらにさまざまな部品や模型・パネルも展示されていて、丸子船の歴史をより深く知ることができます。
この「北淡海・丸子船の館」周辺の町並みは、今も宿場町の雰囲気を残しています。ほかにも、ドライブに最適な奥琵琶湖パークウェイや自然豊かな山門水源の森、菅浦の集落など、見どころもりだくさんです。
それから、「塩津海道あぢかまの里」で食べられる「丸子焼き」もお勧めです。一見タコ焼きなのですが、タコの代わりに羽二重餅が入っていて、見た目よりもボリュームがあっておいしいですよ。

アクセス

【公共交通機関】JR北陸本線近江塩津駅下車 徒歩約30分 レンタサイクルで約10分
JR湖西線永原駅下車 レンタサイクルで約30分
【自家用車】北陸自動車道木之本ICから約10分

より大きな地図で 新近江名所図会 第101回~ を表示
(阿刀弘史)

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