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新近江名所図会

新近江名所圖会 第57回 日野の氏神-馬見岡綿向神社

日野町
蒲生郡日野町村井
馬見岡綿向神社
馬見岡綿向神社

馬見岡綿向神社(まみおかわたむきじんじゃ)は、天穂日命(あめのほひのみこと)・天夷烏命(あめのひなどりのみこと)・武三熊大人命(たけみくまうしのみこと)の三神を祀る祠を、欽明天皇6年(545年)に日野町の東にある綿向山の頂上に建てられたのが始まりとされています。
現在の地には、延暦15年(796年)に里宮として社殿が建てられました。
鎌倉時代から安土・桃山時代には、日野をおさめていた蒲生氏が氏神として庇護し、江戸時代には、出世・開運の神として日野商人の崇敬を受けました。
境内には、滋賀県指定有形文化財になっている本殿や、日野商人が寄進した拝殿や石灯篭や石橋が残っています。
毎年、5月2日、3日に行われる日野祭はこの神社の春の祭礼で、豪華絢爛な曳山が町内を巡行し、神社に集結します。

おすすめPoint

猪の石造物
猪の石造物

綿向神社の大神の使いは、猪です。
これは、綿向山頂に祀られている奥宮(大嵩神社:おおだけじんじゃ)の由来が次のとおりだからです。
蒲生の豪族であった蒲生稲置三麿と山部連羽咋の二人が狩に出ていたとき、大きな猪の足跡を見つけそれを追いかけていくと綿向山頂たどり着いたそうです。そこに綿向大神の化身として現れた老人に「この山の頂に祠を建てるように」という託宣をうけ、建てられたのが大嵩神社です。
また大嵩神社では、古来より、21年毎に社殿を建て替える式年遷宮の祭事が行われており、今も続いています。

周辺のおすすめ情報

日野商人館
日野商人館

周辺には、日野商人の歴史を学ぶことができる日野町立歴史民俗資料館近江日野商人館があります。
この建物は、日野商人の山中兵右衛門の本宅を活用したもので、昭和11年(1936年)に失業者へ仕事を提供する「お助け普請」として6代目山中兵右衛門が建てたものです。館内には、日野椀や薬などの行商品や日野商人の家訓などが展示されているほか、映画「となりのトトロ」にも出てくる昭和初期の電話が置いてあり、実際に触ることもできます。
また、希望者は、職員の方から日野商人の歴史や建物のことなど詳しい解説を聞くこともできます。

アクセス

【公共交通機関】JR琵琶湖線近江八幡駅(南口)またはJR琵琶湖線近江八幡駅から近江鉄道に乗り換え、日野駅より近江バス北畑口行に乗車、「向町」下車 徒歩3分
【自動車】名神高速道路八日市IC下車20分、駐車場あり


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(村井 佑三子)

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