記事を探す

新近江名所図会

新近江名所圖会 第98回 いにしえの夢のあとに/大津京駅の文化財展示スペース

大津市
大津市皇子が丘
大津京駅展示スペース
大津京駅展示スペース

今回、私がご紹介するのは、JR湖西線「大津京駅」です。ここの真下や周辺には、大津の歴史を物語る遺跡群や国の指定を受けた史跡が眠っていて、大津京駅にはそのご縁で素敵な文化財の展示スペース(右写真)が設けられています。今回はそのご紹介・・・。
湖西地方にお住まいの滋賀県民の重要な交通機関であるJR湖西線。その建設事業が始まったのは1960年代のことでした。この路線には数多くの重要遺跡が眠っていたので、当時の滋賀県教育委員会は、その建設工事に先駆け、遺跡の分布調査や、どうしても工事によって開発されてしまう遺跡地の発掘調査を実施しました。
今回取り上げる「大津京駅」(かつての西大津駅)は、史跡近江大津宮錦織(おうみおおつのみやにしごおり)遺跡の近くに設けられています。錦織遺跡は、1,300年以上前の天智天皇が、奈良の飛鳥から都を移した「大津宮跡」ともいわれ、巨大な柱を埋め込んでいた一辺2mほどの穴などがたくさん見つかっています。まさに「いにしえの都人の夢のあと」。

おすすめPoint

展示作業の様子
展示作業の様子

私が紹介したいのは、この大津京駅構内にある展示スペースです。湖西線の調査をご縁に結ばれた当時の国鉄さんのお力添えで、駅構内に設けていただいた文化財の展示スペースです。当協会では、このスペースで季節ごとに文化財のミニ展示を繰り返して来ました。一番最近の展示は「汗と涙がしみこんだ、発掘調査道具たち」。このホームページでも好評な「調査員のおすすめの逸品」からピックアップして、実際に使って消耗した道具を展示したり、使い方や道具にまつわるエピソードをパネルでご説明しました。
この春からは趣を変えて、日本画家鈴木靖将さんとのコラボ企画で、古代大津の魅力を文化財と絵画を通してご提供します(平成24年4月20日(金)~6月22日(金)予定)。駅構内の展示スペースなので、JR湖西線で駅にお越しになるか、入場券を握りしめて改札を抜けてゆっくりお楽しみ下さい。

周辺のオススメ情報

周辺のおすすめは、なんと言っても大津京に関連する遺跡群です。同僚の中村智孝さんがマップを作成してくれました。是非ダウンロードしてご覧下さい。ただ、交通量が多くて狭い道もありますので、行かれる場合はどうかお気をつけて!

アクセス

JR湖西線 大津京駅徒歩0分


より大きな地図で 新近江名所図会 第51~100回 を表示

(瀬口眞司)

Page Top