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新近江名所図会

新近江名所圖会 第346回 きのこファンの聖地? ―菌(くさびら)神社―

栗東市

今回は、全国のキノコファンや、発酵・醸造・バイオテクノロジー等の関係者が多く訪れる菌神社を紹介します。

菌神社本殿
菌神社本殿

菌神社は、草津から守山に抜ける旧中山道に近い場所にある、江戸時代を通じて膳所藩領であった中沢集落の西端に建立されています。平安時代初期の『新撰姓氏録』(815年)には、この地に住んでいた古代豪族の竹田連が乳母の料田に田植えをしようとしたところ、一夜にして菌(キノコ)が一面に生えたことが景行天皇の耳に達し、「菌田(くさびらた)」の姓を賜ったとあります。社名はこの故事に由来するようです。
本殿は元禄四年(1691)年に再建されたもので、市指定の文化財になっています。毎年、5月3日の祭礼では、古代から伝わる雑魚(じゃこ)のなれずし(※)が神饌として供えられます。
神社は葉山川に面していて、川沿いの遊歩道を散歩する近所の方々の憩いの場所となっています。春には、桜もきれいです。

おすすめpoint
菌神社から、東に30分ほど歩いた所にある、上鈎(かみまがり)池の西側の土手には、毎年5月頃になるとたくさんの鯉のぼりがみられます。この辺りは車の交通量が多いため、交通安全を願って上鈎の自治会のみなさんがあげているそうです。たくさんの鯉のぼりは、かなり見ごたえがあります。

上鈎池土手のこいのぼり
上鈎池土手のこいのぼり

周辺のおすすめ情報

へそくりパイ(左)・いちじくの里(右)
へそくりパイ(左)・いちじくの里(右)

菌神社から南に10分ほど歩いた所に、「ザルツブルグ洋菓子店」があります。私は、「へそくりパイ」と「いちじくの里(マドレーヌ)」というお菓子を買ってみました。「へそくりパイ」の中には細かく刻んだ栗(マロングラッセ)がたくさん入っていました。「いちじくの里」の生地には、市場にあまり出回らない栗東産のイチジクが練り込んであるそうです。しっかり素材の味がして、とても美味しかったです。どちらも一つ220円です。

アクセス
●菌神社(栗東市中沢)→草津駅から徒歩40分。/駐車場あり。名神高速道路「栗東I.C.」から車で15分。
●こいのぼり→草津線手原駅から、徒歩15分。/草津駅東口のバス停から、西住宅・東宝ランド行「上鈎」下車、徒歩5分/駐車場なし。名神高速道路「栗東I.C.」から車で1分のところに民間の駐車場あり。(1日400円。)
●「ザルツブルグ洋菓子店」(問合わせ:077‐553‐6607)→/草津駅から徒歩30分。名神高速道路「栗東I.C.」から車で20分。駐車場あり(3台)。※店舗は、草津平和堂店内にもあり。
(田中咲子)
【参考文献】
・栗東市文化体育振興事業団 『栗東の街道を歩く』平成14年

[編集者註]※なれずし:主に魚を塩と米飯で発酵させた食品。鮨の原形ともいわれ、日本各地には郷土料理や神饌等として今に伝わる。滋賀県の鮒ずしは特に有名。

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