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調査員の履歴書

『インタビュー/調査員の履歴書』№9 「はじまりはチャンバラ時代劇」

Q.お名前と所属を教えてください。
A.山口誠司(やまぐちせいじ)です。調査課に所属しています。

Q.現在はどんな仕事を担当されていますか?
A.県内各地で発掘調査に従事しています。これまでに調査を担当した遺跡として佐和山城跡や近江国府跡などがあります。

Q.歴史や考古学に興味をもったきっかけは何でしたか?
A.詳しく話すと長くなってしまうのですが…。幼いころから母方の祖父の影響で時代劇が大好きでした。特に「暴れん坊将軍」がお気に入りで劇中に出てくる江戸城の天守(実際は姫路城天守なのですが…)にカッコよさを感じたのが始まりだったように思います。それから子供向けの歴史の本を買ってもらうようになり、特に戦国時代や安土桃山時代の武将、城郭に興味を持つようになりました。

Q.それからは歴史研究の道へまっしぐらという感じだったのですか?
A.実はそうでもないんです。歴史に興味をもつこと自体は早かったのですが、周りの友達と同じように、歴史のことよりも次第にテレビゲームやカードゲームに熱中していくようになりました…(笑)。中学・高校時代もそれなりに運動部で頑張り、それなりに流行りの音楽を追いかけるというごく普通の学校生活を送っていて、調査や研究に関わるような活動は特にしていませんでしたね。ただ、テレビで歴史番組があると好んで見ていて、戦国史研究で知られる小和田哲男先生の講演会などを聴講しに行ったことはありました。

Q.となると、やはり大学入学が直接のきっかけに?

佐和山城遺跡の記者発表の様子
佐和山城跡の記者発表の様子

A.はい。歴史以外にそれほど興味のある分野もなかったですし、歴史学関係の学部学科に進学しました。古文書を読み解き歴史を明らかにしていける日々が待っているものと甘い考えでいました。しかし、戦国~安土桃山時代を専門とされている教授がいないため学べないのだと知り一度は断念。これといった目標などないまま、なんとなく過ごしていた時期もありましたが、城郭史の分野から研究の世界に触れてみることにことにしたんです。「城郭は遺跡の一種、遺跡を扱う分野は考古学だ!」ということで考古学研究室に出入りするようになりました。それが現在の仕事に就いた直接のきっかけですね。その後の出来事も色々お話したいのですが、長くなるのでそれはまたの機会に(笑)

Q.では、就職されてからの話も聞かせてもらいたいと思います。仕事を通じて感じた楽しさ、面白さなどがあれば教えてください。
A.2018年度から今年度まで、城主が石田三成であったことで有名な彦根市の佐和山城跡の調査に関わってきました。途中の年度からですが、初めて単独で調査を担当することになった点でも思い入れが深い遺跡です。何よりも子どものころから好きであった戦国~安土桃山時代に遺跡の調査に主担当として関わることできたのは幸運だったと思います(もちろんここでは語り尽くせない辛い場面も沢山ありましたが…笑)。調査を通じて、16世紀末の城下町の姿がかなり明らかになりましたが、その瞬間に自分が立ち会えたことは忘れえぬ貴重な経験になりました。

Q.最後に読者の皆さんに一言お願いします。
A.今年で採用6年目を迎え、だいぶ慣れてきた部分もある一方、まだまだ学びが足りない部分も多いことを実感する日々です。上記でお話ししたような幼少~学生時代の純粋さも時々思い出しながら、今後も研鑽を積んでいきたく思います。
【山口誠司の社会貢献活動】はコチラ。

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