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新近江名所図会

新近江名所圖會 第410回 足元に広がる弥生時代―守山市伊勢遺跡―

守山市

 守山市には、全国的に著名な弥生時代の遺跡が3つ所在しています。

 一つは服部(はっとり)遺跡です。服部遺跡は守山市服部町で、昭和49年(1974年)に始まった野洲川改修工事の最中に発見された遺跡です。発掘調査の結果、弥生時代から中世に至る多様な遺構が見つかりました。中でも弥生時代中期の大規模な墓跡(方形周溝墓群)は服部遺跡を象徴する遺構です。この調査および発見は、滋賀県の遺跡の調査・発見の一大トッピクといえます。この調査を契機として現在の守山市立埋蔵文化財センターが整備されました。

 二つ目は下之郷(しものごう)遺跡です。下之郷遺跡は、守山市下之郷町で発見された弥生時代中期の環濠集落です。環濠が集落のまわりに3条、さらにその外周に数条の溝が巡らされていることが発掘調査の成果からわかっています。平成14年に国史跡に指定され、史跡公園として整備されています。この公園には環濠保存施設あり、環濠の露出展示や出土遺物の展示がされており、下之郷遺跡をわかりやすく紹介しています。(新近江名所図会第36回

 三つ目は伊勢遺跡です。伊勢遺跡は守山市伊勢町で発見された弥生時代後期の集落遺跡です。東西約700m、南北約450m、面積約30haにおよぶ大規模な遺跡で、国内最大級の規模を誇ります。伊勢遺跡の特徴は、政治や祭祀を執り行う重要な施設だったと推定されている大型建物群が見つかっていることです。

 今回は、この伊勢遺跡の整備が終了して、史跡公園がオープンしたので紹介します。

写真1 建物の内部

おすすめPoint

 この史跡公園の特徴は、一見すると繭のような大きな屋根を持つ不思議な建物の存在です(アイキャッチ写真)。この建物の中に入ると、天井に貼られた木材が目を引きます(写真1)。そしてこの建物の中には、伊勢遺跡をはじめ、服部遺跡や下之郷遺跡、下長遺跡など、守山市内の代表的な遺跡から出土した遺物が展示してあります。建物の中央には地元の遺跡保存会の有志が作成した精巧なジオラマが置かれています。現地へ行くとわかりますが、公園内には柱跡を示す遺構表示はされていますが、建物そのものは復元されていません。そのため、このジオラマは、遺跡全体をイメージしやすくしてくれます。

そして最大の目玉は、地下(足元)に復元された遺構レプリカ展示です。伊勢遺跡を象徴する大型建物(SB-1)が検出された状態で復元され、床を強化ガラスで覆っていますので、足元で見ることができ、その柱穴から建物の大きさを実感することができます(写真2)。

写真2 足元の復元遺構

周辺のおすすめポイント

 周辺のおすすめポイントは、やはり下之郷遺跡でしょう。伊勢遺跡より前に整備され、地域の人たちと一緒に作り上げた史跡公園として著名です。ぜひとも訪れてみてください。一緒に訪れることで、より守山市の弥生時代の理解を深めることができると思います。

アクセス

開館時間:9:00~17:00(休館日は火曜日、祝日の翌日、年末年始は公園内に入れません)

入場料:無料

問い合わせ:077-599-3223

【自家用車】名神高速道路栗東ICから約15分

 国道1号上鈎(かみまがり)交差点を北に折れ約10分 駐車場有

【公共交通機関】JR栗東駅から徒歩20分

(堀真人)

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