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調査員の履歴書

『インタビュー/調査員の履歴書』№14「一般滋賀県民、考古学にハマる」

Q. お名前と所属部署を教えてください。
A. 森田真由香(もりたまゆか)です。調査課に所属しています。
Q. 現在はどんな仕事を担当されていますか?
A. 滋賀県内の各地で発掘調査を行っています。現在(2021年11月)は、彦根市内の遺跡の調査を担当しています。
Q. 文化財や考古学にかかわる仕事に就いたきっかけは何ですか?

出土状況の実測をする森田調査員
出土状況の実測をする森田調査員

A. 大学2年生で考古学を勉強するようになったことです。
そもそも大学生になるまで、考古学が何をする学問なのかをよくわかっていませんでした。大学も日本史学科に入っていたんですけど、そこを選んだ理由もただ中学・高校の得意科目が日本史だからですし……。
Q. そんな中でなぜ考古学を勉強するようになったのですか?
A. 私が通っていた大学では、2年生に上がる際に文献史学か考古学に専攻を決める必要がありました。文献史学専攻に比べて学芸員の資格が取りやすい、という理由だけで考古学専攻に進みました。実際に考古学の勉強をはじめたところ、その内容にハマっていって今に至りますね。
Q. 考古学のどのようなところに魅力を感じたのですか?
A. 高校までとは全く違った視点から歴史を知ることができるところです。高校までの日本史の授業であつかう内容は、「誰がいつ何をしたか」、いわば「有名人が特殊なことをやった」ということがほとんどです。考古学は、具体的に誰がやったか、を特定することは難しいのですが、立場を問わず様々な人の研究資料が残るため、「名もなき一般人を含めた人々がどのように生活していたか」を解明するのを得意としています。人の日常生活って、高校までではあまり大きく扱うことがなかったため、私はそこに新鮮さと魅力を感じました。
Q. 協会に就いてから思うことはありますか。
A. 恥ずかしい話なのですが、自分が滋賀についてあまりにもわかっていなかったことです。
私は滋賀生まれ・滋賀育ち・滋賀県在住なのですが、当協会に来てから知った遺跡がけっこう多いんです。もちろん、この仕事に就いている以上はそういうわけにはいかないので今必死に勉強中なんですが……。これって逆に、滋賀で長年暮らしてきた人でも地元の歴史について意外と知らないとも言えるんですよ。滋賀の歴史や文化財にアプローチすることで、地元の新たな魅力を知ってもらい、興味や愛着を持ってもらえると信じています。
Q. 最後に読者の皆さんに一言お願いします。
A. 滋賀の歴史・文化財についてわかりやすく伝えるのが我々の仕事の一つだと考えています。当協会では、最新の調査成果や長年滋賀で愛されてきた文化財を展示・動画・冊子などさまざまな形で紹介しています。ウェブサイトの記事を見ていただいたり、瀬田の埋蔵文化財センター・近江八幡の安土城考古博物館などに足を運んでいただければ嬉しいです。

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