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調査員の履歴書

『インタビュー/調査員の履歴書』№3「フツーの大学生、発掘調査員になる」

その他

Q.お名前と所属部署を教えてください。
A.小林裕季(こばやしゆうき)です。調査課に所属し、ここ数年は県内各地の発掘調査を担当しています。

Q.小林さんは根っからの考古学少年だったのですか?
A.小学生の頃から歴史の授業は好きだったのですが、授業で習うこと以外に進んで調べたりすることはありませんでした。高校3年生になって進路の決断が迫ったとき、ひねくれた性格であるため、みんなとは違う方面のことが学べる大学に行きたいなと考え、周囲に目指している人がいなかった文化財や歴史専攻の大学を何となくで選びました。ですので、まさかのちに歴史に関わる仕事に就くとは思ってもいませんでした。

写真1 大学4回生の頃。福井県にある古墳の石室を実測中。
写真1 大学4回生の頃。福井県にある古墳の石室を実測中。

Q.では、実際に文化財や考古学に関わる仕事に向かうきっかけは何でしたか?
A.大学に入学し、まわりの友人は「○○先生の授業を受けたくてこの大学に来た」とか「いま△△遺跡の発掘に行ってる」など、志の高い人が多く集まっていたのですが、一方の私はそれを横目にキャンパスライフを謳歌するごく普通の大学生でした。
 大学の友人たちの多くが1回生の頃から発掘調査に参加していたわけですが、3回生の夏休みになってようやく「自分も一度は経験してみようかな」と、大学のOB調査員が募集していた発掘調査に参加しました。調査に参加した初日のことですが、発掘現場では古代寺院の金堂の軒先に葺かれた瓦がそのまま崩れ落ちた状態で出土しており、「これがあったら描けるから」と、OB調査員さんにシャーペンとコンベックス(手のひらサイズの巻き尺)、方眼紙を渡され、初回で瓦の出土状況の実測を任されてオロオロしたことが思い出されます。
 それからは様々な調査に参加して多くの調査員さんに出会い、土の違いから遺構を見分け、土器を見ればある程度の年代をすぐに判断される姿がすごくかっこよく見えて、調査員という仕事に憧れを抱くようになりました。

Q.調査員を目指して取り組まれたことや、発掘を魅力に感じたことは何ですか?
A.いまになって振り返ると、スロースターターだというコンプレックスが、原動力になっていたのかなと思います。当然、卒業論文は書かなければ卒業できないので専門テーマを決めてはいましたが、実際の発掘調査では専門以外の多種多様な時代・ジャンルを相手にしますので、知り合ったいろいろな調査員さんや先輩方について回り、誘われれば見境なく各種研究会や遺跡・遺物見学などに首を突っ込んでいました。ホントに広く浅く節操なくでしたが(笑)。

写真2 現場のためにカラダ張ります!
写真2 現場のためにカラダ張ります!


 また、一つとして同じ遺跡は存在しないことから、その都度、土の違いを見極めて掘削し、土器などが出土すれば喜び、それらを測量して図面や写真に記録していく「発掘調査」そのものが楽しかったです。発掘によって見えてきた事実をもとに、視野を真下の地面から周囲に移して当時の景観や遺跡形成のストーリーを思い描くことも魅力でした。

Q.まだまだ語り足りなさそうですが…(笑)?
A.プロを目指して走り出し、現在に至るまでに経験したたくさんのエピソードがありますが、次の機会に残しておきますね(笑)。

Q.最後に読者の皆さんに一言お願いします。
A.遅れて調査員への道を歩み始めた分、これまで自分なりの努力を日々重ねてきたつもりですが、まだまだ成長真っただ中と感じています。学生時代に憧れた「かっこいい調査員」を目指してこれからも頑張っていきたいと思います。

【小林裕季の社会貢献活動】はコチラ

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