公益財団法人滋賀県文化財保護協会では、滋賀県東近江土木事務所からの依頼により、堂川補助通常砂防工事に伴う発掘調査を令和4年度から実施しています。
阿弥陀寺は平安時代に建立されたとされる寺院で、現在は本堂とそこへ至る石段・山門が残っていますが、かつての姿はわかっていませんでした。令和5年度の調査では戦国時代の石垣が見つかり、中世の阿弥陀寺の姿の一端を確認できました。その後の調査で、この石垣と同時期と見られる道路遺構を発見しました。
山寺において道路は寺院の中心線をなす重要な施設で、麓と本堂など中心施設を結ぶとともに、その左右には雛壇状の平坦面が展開し、多くの寺院関係者が起居していました。今回発見した道路は、出土遺物から戦国時代(15世紀~16世紀前半)の遺構と考えられます。石段や側溝など複雑な構造をもっており、非常に高い技術で土木工事が実施されていることがわかりました。そこで、当発掘調査の成果につきまして、現地説明会を令和6年6月2日に実施しました。
※当日配布した資料は、コチラからダウンロードできます。(PDF3.2MB)