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天神畑遺跡記者発表(2010年2月)資料

天神畑遺跡

縄文時代後期から中世にかけての複合遺跡です。鴨川広域河川改修事業(青井川)に伴い平成20年度より発掘調査を実施しています。調査では対象区内を蛇行する河道が検出されました。この河道は深さ2.5m程度あります。両岸が検出されていないため、幅はわかりませんが、30m以上になるようです。縄文時代から中世にかけて長い時間河道として機能し、近世の初め頃に埋没したと考えられます。
この河道の堆積層の中から平成21年2月に「こけら経」が、ほぼ一塊で出土しました。堆積層の年代は中世後半と考えられます。「こけら経」は中世の後半、水が緩やかに流れていた河道に納められたものと考えられます。
今回、天神畑遺跡から出土した「こけら経」のうち経典名が推定できるもの115点のなかで、38点が『金剛般若波羅蜜経(略称:金剛般若経)』です。『金剛般若波羅蜜経』の出土例は全国で3例目となります。滋賀県では、2000年(平成12年)に滋賀県草津市の柳遺跡(14点)から出土した14世紀のこけら経があります。それ以外に、1990年(平成2年)に出土した愛知県清洲城下町遺跡の16世紀の例があります。

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