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清滝寺・能仁寺遺跡現地説明会(2011年6月)配布資料

清滝寺・能仁寺遺跡

 本堂基壇の南方で見つかった区画は、石組み溝で区切られ、2ヶ所の区画が東西に並んでいました。西方の区画(南西区画)は東西約5m、南北約11mで、南溝の石列は簡略化されています。南西区画の東溝を共有して南東区画が作られています。南東区画は東西10m以上、南北約8mです。東溝はすでに壊されていて判明しません。
 南西区画と南東区画は北辺を3.5mほどずらして配置しており、そのコーナー部分には石組みによる溜め桝が作られています。溜め桝は南東区画の北溝(石組み溝3)を途中で塞いで構築していて、北溝もこの段階で埋め立てられています。このことから、溜め桝は後から付設し、排水溝も新たに付設されていること(石組み溝2)がわかります。石組み溝2は意図してカーブさせていることから、庭園の一部として機能していた可能性があります。
 石組みの底には小石を置くなどして石列を安定させており、堅牢に築造されています。南東区画の内部には礎石を安定させるための根石や小型の礎石が認められ、建物があったことがわかりますが、後で掘り込まれた大型土坑により中心部分は失われています。

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