文化財イベント日記

上御殿遺跡の現地説明会を開催しました

 高島市三尾里にある上御殿遺跡の現地説明会を開催しました。当日はあいにくの曇り空でしたが、明け方まで雨が降っていたことを思うとラッキーだったと思います。おかげさまで、70名の方々が参加して下さいました。参加いただいた方々には、お礼申し上げます。
 今回の説明会は、奈良時代から平安時代初頭にかけての調査成果を中心に行いました。はじめに、倉庫群の建物について、配置や構造などを話しました。足元が悪く、遺構の近くまで近寄ってもらえなかったのが残念でしたが、建物が重なって見つかっている様子や柱穴の大きさなどを見てもらうことができたと思います。
足元の悪い中、多くの方々がいらしてくださいました
そのあと、倉庫群の北西側にある川やそこで行われた祭祀について説明しました。川は古墳時代から平安時代にかけてのもので、平安時代には古墳時代に比べて川幅が細くなって蛇行して流れていたことや、その中で祭祀が行われたことなどを話しました。
祭祀の跡から出土した人形代(ひとかたしろ)や陽物形代(ようもつかたしろ)、斎串(いぐし)などの遺物は、現地のテント内に展示しました。参加者の方々は、顔のある人形代など様々な遺物を興味深く見学されていました。
なお、高島市歴史民俗資料館において、鴨遺跡や永田遺跡といった近隣に所在する遺跡の出土遺物を展示していただきました。上御殿遺跡と同時期の遺跡ということで、周辺地域の歴史を知る良い機会となりました。ご協力いただきました資料館の方々にはお礼申し上げます。
速報展を滋賀県立安土城考古博物館で開催中ですので、こちらもぜひご覧ください。また、調査は、現在も進行中です。新たな発見があれば、また報告したいと思います。
平安時代の川の中の祭祀跡を説明しています
 

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