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船板に使われていた「マキハダ」を確認-塩津港遺跡出土品

マキハダ
中央の裂け目に充填してある「マキハダ」

平成27年(2015)に塩津港遺跡(滋賀県長浜市)から出土した船板(平成27年12月8日記者発表)の調査を進めたところ、水漏れを防ぐために縄状のもの「マキハダ(槙肌/槙皮)(マイハダとも言う)」が詰められていることを確認しました。
マキハダとは、ヒノキなどの樹皮を叩いて繊維状にしたもので、水漏れを防ぐための充填剤として隙間に詰め込んで使われたものです。船や桶などを組み立てるときに接合部に使われました。長い繊維状のまま詰め込む場合もあれば、出土品と同じように縄状に結ったものも使われます。また、今回の出土例と同じく補修に詰め込まれることもありました。
今回の出土品は12世紀代の最古の「板作りの構造船」の部材とされるものに使われていたマキハダです。マキハダは、構造船を作るうえでの必須技術です。発掘調査によって出土した例は今回が初めてで、また、最古のマキハダ資料ともなります。

この「マキハダ」を充填した船板に関しては整理調査成果報告会「あの遺跡は今!PART23-きて・みて・さわって考古学」で実測作業を公開しますので実物をご覧になれます。なお、今後、保存処理をする予定ですのでしばらくご覧になることができません。

日時:平成28年7月16日(土)・17日(日) 9:00~17:00
場所:滋賀県立安土城考古博物館 整理室
参加費等:無料・予約不要
問い合わせ先:公益財団法人滋賀県文化財保護協会 安土分室 TEL:0748-46-4861(月曜休み・9:00~17:00)

「マキハダ」に関する資料こちらからダウンロードしていただけます。


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