連続講座「文化財もの知り学2012」第5回は、11月からの長い中断期間を経て、2月2日に「中世まじない絵の秘密-大津市関津遺跡-」と題して、当協会企画調査課長の吉田秀則さんが講師を担当して開催されました。大津市田上にある関津遺跡は、ほ場整備事業や国道改築工事に伴い、近年多くの発掘調査が行われていて、縄文時代から近世にかけての多くの成果が上がっています。吉田さんは、その中でも中世のまじない絵が描かれた板に注目し、それが道教思想にともなう「神像呪符」であり、その背景について解説しました。また、「石敢当」など、道教思想の影響が現代でもみられることなどについても解説しました。われわれの日常生活にも中世の名残が残る話の数々に、受講者のみなさんも聞き入っておられました。次回第6回は、「古墳と集落にみる古代氏族のひみつ」と題して、甲賀市植遺跡と泉塚越古墳の調査成果について解説いたします(3月2日開催)。
2013年2月2日(土曜日)